世界のペット事情 第一回「ロンドンの人気犬種は“バタシー・ドッグ”!」

世界のペット事情

第一回「Londonの人気犬種は“バタシー・ドッグ”!」

英国といえば、各種リトレーバーやテリアなど、あまたの名犬種を生み出した犬の国。その首都ロンドンでは、いったいどんな犬種が人気かというと…。

たとえば朝のケンジントン・ガーデンズ。広々とした緑地には続々と犬がやってきます。ラブやゴールデン、ジャック・ラッセルやミニチュア・ダックスなど日本でもおなじみの顔から、グレート・デーンやチャウチャウといった、ちょっと珍しい面々も。そんな中、じつはいちばん目につくのはミックス、いわゆる雑種の犬たちです。そして「この子はどこから迎えたの?」と訪ねると、飼い主さんたちは口を揃えたように「バタシー」と。「この子はバタシー・ドッグなの」と、ちょっぴり誇らしげに答えるのです。

バタシーとは、テムズ川の南に位置する「バタシー・ドッグズ&キャッツ・ホーム」。150年近い歴史を持つ、英国で最も有名なアニマル・シェルター=動物の保護施設(その歴史についてはいずれまた…)です。今やきちんとしたシェルターでは常識ですが、ここでも里親希望者はホームの犬を迎えるのにふさわしい家族・環境かどうかが厳しくチェックされ、その上で、相性の良さそうなペットを紹介されるというしくみです。つまり、「バタシーから犬を迎えた」ということは、「あなたは犬を幸せにできる人間」と認められたということ。そして実際に、かたわらでシッポを振っている愛犬の幸せそうな様子は、勲章にほかならないのです。

英国の動物福祉団体ブルークロスの2008年の調査によれば、英国全体でも、こうしたシェルターからペットを迎えたいと思う人が、その他から迎えたいという人より多いとか。バタシー・ドッグもますます人気となり、いつかはホームの犬が1頭もいなくなってしまう…という、ハッピーな状況がやってくるかもしれませんね。

文:山喜多佐知子 ・ 撮影:武井哲史