吐いて、黒いウンチが...
1カ月くらい前からせっせと庭の芝生や枯れ草を食べていたというビーグルのケンちゃん。最初は草を食べて吐いたりしていましたが、ごはんは普通に食べていました。
ところが、4~5日前から便が黒くなってしまい、お腹が張り、食べたものをそっくり吐いてしまうように。
病院へ連れてこられたケンちゃんのお腹を、内視鏡でのぞいてみると…。
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麻酔が効いてきてウトウト…。
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すっかり眠り込んだところで、ゆっくりと内視鏡を入れてゆきます。
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モニターに映る胃の中の映像に、不審なものが!
まったく消化されていない草のようです。
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さらに進むと、画面いっぱいに草となにやら白いものが…。
いったい何でしょうか?
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内視鏡の先に付いた鉗子で、慎重に取り出してゆきます。
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しかし、まだまだ草が!
ケンちゃんの食べた芝生や枯れ草は、まったく消化されないまま十二指腸まで行き、詰まっていたのです。
さぞかし苦しかったでしょう。
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取っても取っても、モニターには草が現れて…。
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ようやくおおかたをとり終えてみると、なんと、これだけの草が!先ほどの白いものは、左下の固まりに混ざっていますが、その正体はブドウの皮。これもまったく消化されていませんでした。
「草で治す」は迷信!
黒いウンチが出たのは、胃がただれて出血していたため。吐き出した時に、逆向きになった芝草のささくれで胃の粘膜が痛んでいたのです。ちょっと鉗子が触るだけで出血する状態になっていました。
「通常、体調のいい犬は、草など食べません」と臼井玲子先生。そして「『犬は草を食べて自分の不調を治す』というのは迷信です」と。ケンちゃんのように草を食べてしまう場合、どこかに疾患があり、そのつらさ、気分の悪さから草を食べるという行動に出ていることが多いのです。けれど、草を食べても治るどころか、お腹の中はひどい状態になってしまう。草を食べるのは異常のサインと見るべきで、決して「犬が自分で治している」のではありません。
今回のような場合、胆嚢炎の疑いもあるため、さっそくご主人の良一先生に超音波検査をしてもらいます。
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お腹にスキャナをあてて診てゆきます。ケンちゃんはまだぐっすり。
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どうやら胆嚢には異常が見られませんでした。
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ひとまず胆嚢炎の疑いはなさそうですが、ほかに異常がある可能性も。しっかり診てもらおうね。
取材協力いただいた先生
臼井 玲子
獣医師 獣医学博士 長野県出身 東京農工大学農学部獣医学科卒業 。ご主人の良一先生とともに、宇都宮市に臼井犬猫病院開設 。一般診療のほか「犬やネコのこころの問題」に取り組み、テレビ・ラジオや雑誌、書籍での執筆、講演活動を通じて多方面から「犬やネコとの暮らしを楽しむ」「犬とネコの力を伸ばす方法」を全国に展開中。
日本比較医学会理事、(社)日本愛玩動物協会理事、日本獣医学会評議員、日本動物看護士学会評議員、ヒトと動物の関係学会評議員、日本動物病院福祉協会(JAHA)元理事ほかを歴任。日本獣医生命科学大学(旧日本獣医畜産大学) 客員教授
著書
『イラスト・写真でよくわかる愛犬の育て方―選び方・
しつけ・飼い方・健康管理 』(共著)/新星出版社
携帯サイト
http://inutomo.jpにて愛犬の「お悩み相談室」担当

臼井犬猫病院
住所
〒321-0136 栃木県宇都宮市みどり野町4-5
診療時間
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