世界のペット事情
第二回「ドッグラン」の元祖はここ!
イーストビレッジのザ・ファーストラン。
このサイトを見ている人で「ドッグラン? 何それ?」という人はあまりいないはず。今や当たり前のものとして、都心の公園や犬が泊まれるリゾートのドッグランで愛犬を遊ばせている人も少なくないでしょう。でも、わずか10数年前の日本では、「何それ?」という人の方が圧倒的に多かったのです。
東京都内の駒沢公園に、都心で初めてドッグランが設置されたのが、2002年。世界で初めてのドッグランが生まれたのは、それからさかのぼること11年。1991年のニューヨーク、イーストビレッジにある、トンプキンススクエアパークの中でした。

ニューヨークは、東京以上の大都会。犬が思いきり遊べる庭のある人などまずいません。毎日セントラルパークまで連れて行ける余裕のある飼い主だってそうそういない。そこここに公園はあるのに…。
そんな時代、イーストビレッジに住むあるドッグウォーカー(犬の散歩やさん)の女性が、ひとりで立ち上がりました。「ぜひトンプキンススクエアパークに犬が遊べるスペースを作って欲しい」と市に掛け合ったのです。たった一人の女性、それもNYといえど今より人種差別の残り香が薄かったはずもない当時、アフリカ系のモネエ・ジャーメインさんの主張がすぐに受け入れられるはずもなく…。モネエさんの交渉の日々は、なんと10数年にも及ぶことに…。それでも、あきらめず、粘り通したモネエさんの力で、世界で最初のドッグランが誕生したのです。
当時から、モネエさん初めボランティアたちが作った12のルール…自分の犬はいつも見守っていること、攻撃的な犬は入れないこと、フンの処理をすることなどなど…のおかげで、多種多様な犬が集まりながら、ランは平和が保たれてきました。「最初のドッグラン」に敬意を込めて、「トンプキンススクエア・ラン」ではなく、ただ「ファーストラン」と呼ばれるこのNYドッグのオアシス。平和でのんびりとした雰囲気は今も犬たちとその飼い主に大いに愛されているようです(ルールは1つ増えたようですが)。
文:山喜多佐知子 ・ 撮影:武井哲史











