第四回 雑種犬も活躍するスペシャル・ドッグショー 最近では、インターネットの発達もあって、同じ犬種のオーナー同士や、同じドッグスポーツの仲間同士が集まることも難しくありません。犬種クラブや企業などによる犬とオーナーのためのイベントも増えてきたようです。
世界のペット事情
第四回 雑種犬も活躍するスペシャル・ドッグショー
最近では、インターネットの発達もあって、同じ犬種のオーナー同士や、同じドッグスポーツの仲間同士が集まることも難しくありません。犬種クラブや企業などによる犬とオーナーのためのイベントも増えてきたようです。
英国では、そうしたイベントと似ているようでちょっぴり違う、「エグザンプション・ショー」…いわば特別ルールのドッグ・ショー…と呼ばれるイベントが、ネット時代以前から各地で開かれてきました。
たとえば、とある日曜日。ロンドン郊外の小さな町。地域センター脇の緑地に、わらわらと犬と人が集まってきます。やってくるのはグレート・デンからホワイト・シェパード、ボーダー・テリアにヨーキー、そしてご先祖不明の雑種たち。家族連れの参加者がほとんどで、デッキチェアやブランケット、おべんとうまで広げる様子は、まるで犬連れピクニック大会です。そんなのどかな雰囲気の中、主催者の開会宣言で始まったのは…。

緑地内に2つ設けられたリンクのうち、リンクAで進行しているのは、本格的な純血種のドッグショー。正式にジャッジが付き、コンフォメーション(形態審査)が行われます。参加犬はどの子もかなりの高レベル。一方、リンクBでは「マテ」競争が進行中。ボーダー・コリーやシェルティー、そして雑種たちが、静かに火花を散らす…というより、待たされすぎて昼寝体勢に入る選手も。リンクAのドッグショーは真剣なもののはずですが、そのかたわらではくつろぎきって戦う犬たちがいるわけです。
そしてドッグショーが一段落したリンクAでは、いよいよメインイベント! Best Veteran(老犬賞?)、Waggiest Tail(シッポふり競争)、Best Six Legs(6本足コンテスト)と、あやしくも楽しい種目が目白押しです。とりわけ「6本足コンテスト」は、人と犬の相性の良さを競うものなのですが(人間2+犬4=6本足!)、この時ばかりは英国紳士淑女たちが、ツイードのズボンやスカートをあられもなくまくり上げ、大真面目でアピール。何を基準に選ぶのかさっぱりわからないものの、どの種目でも入賞者は大変な喜びようで、周囲もおおいに祝福します。もちろん、その間も、追いかけっこに興じる犬あり、まだマテ競争を続ける猛者あり、ひたすら昼寝に興じる犬あり。飼い主たちも、おしゃべりにおべんとう、ビデオ撮影などなど、それぞれ勝手気まま。
真面目なようで、ちょっと…いや、かなりおバカだったり、意外に真剣だったり。誰もが犬との時間をのんびり過ごせる、地味だけれど、じつに味わい深い、英国の日曜日のお楽しみです。
ロンドン郊外で開かれた特別ルールの愉快なドッグ・ショー。犬と人間の相性を競う「6本足コンテスト」といったユニークな種目もあり大いに盛り上がる。
文:山喜多佐知子 ・ 撮影:武井哲史











